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DATE: CATEGORY:平成8年度
問題

政党を基礎にした拘束名簿式比例代表制について、「選出された国会議員が、自発的に党籍を離脱した場合または所属政党から除名された場合は、当該議員は議員の地位を失う。この場合、当該議員が所属していた政党の名簿上の順位に従い、繰り上げ当選人を決定する。」という趣旨の規定が法律で定められたと仮定する。この規定に含まれている憲法上の問題点について論ぜよ。
答案

1⑴ 本問法律は、国会議員が自発的にもしくは除名により党を離脱した場合に、議員の地位を失うと定める。
   これは、自由委任を原則とする代表民主制(43条、前文)に反するのではないか。
   ここに、43条が、国会議員を「全国民の代表」と規定する趣旨は、国会議員に国会の場で自由な討論を行わせ、少数者の人権保障に配慮した政治を行わせようという点にある。
   とすれば、自由な討論の確保のため、議員は国民の民意による法的な拘束を受けないというべきであり、「代表」とは、自由委任を意味すると解するべきである。このように理解すると、51条が免責特権を定めていることに整合しているといえる。
 ⑶ア このように、国会議員の地位が自由委任だと解すると、本件法律のように、党籍の離脱、除名を理由に議員の地位喪失に結びつけることは、43条に反するといえる。
  イ なお、拘束名簿式比例代表制は、政党に対して投票されるものであるところ、自発的離脱の場合は自らの意思で、政党に対して投票した民意背いており選挙制度の意義に背く度合いが深刻である。よって、議員の地位を失わせても合憲としてよいようにも思える。
    しかし、自発的離脱の場合でも、議員たる地位の喪失という法的責任を負わせている以上、自由委任に反するといわざるを得ない。
    また、このような行動にでた議員になお、議員としての地位を与えるか否かは、次の選挙における国民の投票による判断に委ねるべきである。
    よって、本件法律の、議員の地位を失わせる規定の部分は、自発的離脱の場合か除名の場合かを問わず、43条に反し違憲である。
2⑴ では、仮に本件法律の上記部分が合憲だとして、空白議席について、当該議員所属政党の名簿上の順位に従い繰り上げ当選で当選人を決定するとしていることは、43条が「選挙された」議員ではなくてはならないと定めていることに反しないか。
 ⑵ 思うに、43条が「選挙された」とする趣旨は、議員となる者が民意の反映として選出されることを要求する点にある。
   そして、選挙制度は国会の裁量により、制定できるところ(47条)、拘束名簿式比例代表制は、政党に対して投票するというものであり、議員となる個人は政党が決定した名簿の順位による。
   かかる制度の下では、民意は、当該政党に所属する者に議席を与えるという形で反映されている。
   とすれば、名簿順位に従って繰り上げ当選人を決定したとしても、繰り上げ当選人は当該政党から選出されたものと認められる。
 ⑶ したがって、「選挙された」といえるから、43条に反しない。
以上
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